「ボール拾いなら協力したい」― 地域の善意を活かせる仕組みとは
前回の記事では、私がなぜ地域クラブ活動に協力しようと思ったのか、そして「地域全体で子どもたちを支える」という考えについて書きました。
今回は、実際に地域の方々へ協力を呼び掛けた際に感じたことについて書きたいと思います。
昨年度、地域クラブ活動への協力について地域の関係者へ声を掛けたところ、
「専門的な指導はできないけれど、ボール拾いくらいなら協力できるよ」
「見守りや準備、片付けなら手伝える」
という声を多くいただきました。
私は、このような声こそが「地域展開」の原点なのではないかと思っています。
全員が専門的な指導者である必要はありません。
競技を教える人、大会を支える人、道具を準備する人、子どもたちを見守る人。
それぞれが、自分のできる範囲で少しずつ協力する。
そうした地域の力を集めることで、学校や先生方だけに負担を集中させることなく、子どもたちの活動を支えていけるのではないでしょうか。
ところが、実際に地域クラブ活動へ参加するためには、履歴書の提出や登録、契約など、一定の手続きが必要となりました。
もちろん、学校という場所で子どもたちと関わる以上、「誰が活動に参加しているのか」を把握することは必要です。
安全管理や責任体制を考えれば、一定のルールや手続きが必要であることも理解しています。
私も、安全管理を軽視してよいとは全く考えていません。
しかし、一方で、
「ちょっとなら手伝える」
「子どもたちのためなら協力したい」
という地域の方にとって、正式な登録や契約、書類の提出まで求められることは、想像以上に大きなハードルになる場合があります。
実際に、協力する気持ちはあっても、手続きが必要だと分かり、参加を断念した方もいました。
私はここに、地域クラブ活動がこれから考えていかなければならない大きな課題があると感じています。
「安全管理」と「参加しやすさ」は両立できないのか
私は、どちらか一方を選ぶ必要はないと思っています。
例えば、専門的な指導を行う「指導者」と、ボール拾い・準備・片付け・見守りなどを行う「地域サポーター」では、役割も責任も異なります。
役割に応じて登録方法や参加方法を分けるなど、地域の方が無理なく関われる仕組みを検討することもできるのではないでしょうか。
地域には、子どもたちのために力を貸してくださる方がたくさんいます。
その善意や経験を、制度によって遠ざけてしまうのではなく、安全を確保しながら、どうすれば地域の力を活かすことができるのか。
私は、その視点が地域展開には必要だと考えています。
「地域全体で子どもたちを支える」というのであれば、地域の人が参加したいと思ったときに、参加できる道をできるだけ広く用意する。
そして、それぞれができることを持ち寄る。
そんな地域クラブ活動になってほしいと思っています。
次回【第4回】
次回は、協議や運営を進める中で私が感じた、
「情報共有・連絡体制・担当者間の引き継ぎ」
について書きたいと思います。
制度がどれだけ整っていても、実際に活動する人へ正確な情報が伝わらなければ、安心して協力することはできません。
私がなぜこの部分に不安を感じたのか、次回お伝えします。
※本連載は、特定の個人や組織を批判することを目的としたものではありません。私自身が地域クラブ活動への協議・準備に関わる中で経験したこと、感じたことを一つの現場の声として発信しています。
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