特定非営利活動法人ココカラ

子どもの安全を守るために、指導者をどう守るのか

前回の記事では、地域クラブ活動を進めるうえでの、

「情報共有・連絡体制・担当者間の引き継ぎ」

について書きました。

地域クラブ活動には、行政、学校、運営事業者、指導者、地域団体、保護者など、多くの人が関わります。

だからこそ、「誰が何を担当するのか」「何かあったときに誰が対応するのか」を明確にすることが、安心して活動するためには必要だと考えています。

今回は、その中でも特に重要だと感じた、

「指導者や地域の協力者をどう守るのか」

ということについて書きたいと思います。

子どもの安全が最優先だからこそ

スポーツ活動において、子どもたちの安全が最優先であることは言うまでもありません。

ケガや熱中症、突然の体調不良など、どれだけ注意していても事故の可能性を完全になくすことはできません。

そのため、指導者には安全管理についての知識や責任が求められます。

しかし私は、子どもたちの安全を守るためには、

「指導する側も安心して活動できる環境」

が必要だと考えています。

事故が起きた場合、誰が対応するのか。

指導者自身がケガをした場合はどうなるのか。

第三者に損害を与えてしまった場合はどうなるのか。

補助として参加していた地域の方は、どのような立場になるのか。

こうしたことを曖昧にしたまま、

「地域の皆さん、ぜひ協力してください」

と言うことは難しいのではないでしょうか。

「ちょっと手伝う人」をどう位置付けるのか

以前の記事でも紹介しましたが、地域の方へ協力をお願いした際、

「専門的な指導はできないけれど、ボール拾いならできる」

「子どもたちの見守りなら協力できる」

という声をいただきました。

私は、こうした方々の存在こそ、地域展開では非常に大切だと思っています。

すべての人が専門的な指導者になる必要はありません。

例えば、

ボール拾いをする。

用具の準備や片付けをする。

子どもたちを見守る。

グラウンドの安全確認をする。

こうした役割も、安全なスポーツ活動には欠かせません。

一方で、活動中にその方自身がケガをしたらどうなるのでしょうか。

ボールが当たってケガをすることもあります。

用具を運んでいる途中で転倒することもあります。

また、本人に指導する意思がなくても、活動中に子どもがケガをした場合、

「その場にいた大人には、どこまで責任があるのか」

という問題も出てきます。

だからこそ、単に「ボランティアだから」という理由だけで、責任や補償を曖昧にしてはいけないと考えています。

保険に入っていれば、それだけで安心なのか

地域クラブ活動について協議する中で、私自身も保険について改めて考えるようになりました。

スポーツ活動には、参加者本人のケガを補償する傷害保険だけでなく、事故によって第三者へ損害を与えた場合の賠償責任についても考える必要があります。

そして重要なのは、

「誰が、どの保険の対象になっているのか」

を、活動する本人が理解できていることだと思います。

「保険には入っています」

という説明だけでは十分ではありません。

指導者は対象なのか。

補助者は対象なのか。

登録していない地域ボランティアはどうなのか。

活動場所への移動中はどうなのか。

大会に参加した場合はどうなのか。

事故が起きた場合、誰が保険会社へ連絡するのか。

こうした部分まで整理されて初めて、安心して活動できる仕組みになるのではないでしょうか。

ココカラとして考えたこと

私たちNPO法人ココカラとしても、地域の方々に協力していただくのであれば、

「善意で参加してくれた人に、必要以上のリスクを負わせてはいけない」

と考えてきました。

そのため、地域の協力者をきちんと把握し、必要な保険や安全管理の仕組みを整えたうえで活動に参加してもらう方法についても検討してきました。

大切なのは、手続きを増やすことそのものではありません。

安全管理のために必要な登録や確認は当然必要です。

しかし同時に、

「安全を確保しながら、地域の人が参加しやすくするにはどうしたらよいのか」

という視点も必要だと思っています。

安全を理由に地域の人が参加できなくなってしまえば、「地域展開」でありながら地域との距離が広がってしまいます。

反対に、参加しやすさだけを優先して安全管理を曖昧にすることもできません。

この二つを両立させる仕組みを考えることが重要です。

指導者を守ることは、子どもたちを守ること

指導者や協力者の責任を明確にすることは、責任を追及するためではありません。

むしろ逆だと私は考えています。

何か起きたときの対応方法が決まっている。

相談できる窓口がある。

必要な保険が用意されている。

一人の指導者だけに責任が集中しない。

こうした環境があるからこそ、指導者は安心して子どもたちと向き合うことができます。

地域展開を持続可能なものにするためには、

「子どもの安全」と「指導者・協力者の安心」はセットで考える必要があります。

地域の方々に、

「子どもたちのためなら少し協力してみようかな」

と思っていただけることは、とてもありがたいことです。

だからこそ、その善意だけに頼るのではなく、

協力してくれる人をきちんと守る仕組みをつくる。

それも地域クラブ活動を運営する側の大切な役割ではないでしょうか。

私自身、地域クラブ活動への協議や準備に関わる中で、安全管理について考えるのであれば、子どもたちだけではなく、その活動を支える大人たちの安全と安心についても同時に考える必要があると強く感じました。

地域の人が安心して参加できる。

指導者が安心して指導できる。

保護者が安心して子どもを送り出せる。

そして何より、子どもたちが安心してスポーツを楽しめる。

そうした環境をつくることが、本当の意味での地域スポーツの基盤になるのではないかと思っています。

#地域クラブ活動 #部活動地域展開 #部活動改革 #地域スポーツ #地域移行 #学校部活動 #子どもたちの未来 #スポーツ教育 #新座市 #埼玉県 #ソフトボール #新座市ソフトボール連盟 #NPO法人ココカラ #地域連携 #スポーツボランティア #スポーツ振興 #教育 #現場の声